第2話

 『第2話』 作:お茶漬け戦士さん




俺が振り向いた先に立っていたのは、先ほど会話をした冒険者「プラネタ河伯」さんだった。


「? 一体どうしたんだい、そんなに驚いて。」


「いや、いきなりのことだったもので・・・。」


「なるほどなるほど。ところで、マエルの爺さんは見つかったかい?」


「え・・・、あー、いやー、その・・・」


俺は迷った。プラネタ河伯さんに対して、今ここで俺が見た出来事をそのまま話すべきか、それとも話さないべきかを。


あまり長く間をとりすぎると不自然なので、早く答えを出さねばならない。


ここで真実を話して、プラネタ河伯さんに助けを求める・・・いや、しかし俺が殺したと疑われる可能性も・・・うーん、どうしよう。


悩んでいたら、プラネタ河伯さんが再び話しかけてきた。


「黙りこくっちゃってどうしたの?」


悩んだ末に、俺は話さないことにした。


「いや~・・・、その・・・、それがまだ見つかっていないんですよ・・・。」


「あらら、そうでしたか。」


「えぇ、そうなんです・・・。それで、次はどこを探そうかなと考えていまして。」


「あぁ、だからあんなに驚いていたのね。納得。」


よし、何とか俺が嘘をついたってことはばれていない。


「では、マエルの爺さん探し頑張ってください。私は徒歩で狩り場所に行くことにするよ。」


「えぇ!? 徒歩で!? 頑張りますねぇ。」


「徒歩で狩り場まで移動というのも、たまにはいいものですよ。毎日だとしんどいですけどねw」


「ははw では、狩り頑張ってください。」


「ではまた~。」


ふぅ、なんとかマエルの爺さんが倒れてるってことはばれずに済んだ・・・って、これじゃまるで俺がマエルのくそじじいを殺したみたいじゃねぇかよおおおおおお!!!!!!!!


ちくしょう、なんでさっき真実を話すと俺が疑われる、な~んて思っちまったんだ!


プラネタ河伯さんにありのままを話して、助けを求める場面だっただろうがあそこはぁぁぁぁぁああ!!!!


兜を地面にたたきつけ、髪の毛をひっかきまわす。


そんなことをしていたら、さきほど倉庫の鍵を取りに行った町内会の顔役らしい男が戻ってきた。







つづく


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